安南将棋の特殊な棋譜について

安南将棋は、本将棋の棋譜表記では表現できない棋譜が存在します。

この①は本将棋における棋譜表記のおさらいです。

これは「6四金直」です。

②も同様に「5四金直」です。

しかし、下の画像③は、

従来の本将棋の棋譜表記では表現することができません。

動いた地点「5四」と、動いた駒の種類「金」の他、

その地点へ同種の駒が複数到達できる場合、

基本的に「上」、「寄」、「引」という

動作を示す記号(文字?)が付記されます。


それでもどの駒が動いたのかの区別がつかない場合には

「右」や「左」という記号(文字?)が、さらに追加されます。


例外として便宜的に他の記号が使用されるわけですが、

③の金の棋譜は、従来のいずれの方法でも表現することができません。


そこで、将棋ましましは、「上」、「寄」、「引」に加えて

新たに「跳」を追加しました。


③は「5四金跳」です。

もし、もうひとつ跳ねることができる金があれば、

状況に応じて「5四金右跳」あるいは「5四金左跳」となります。


さらに、下の画像④をご覧ください。

④において、

左にいる香が「5五」から「4四」へ移動する場合は「4四香左」です。

右にいる香が「3五」から「4四」へ移動する場合は「4四香右」です。


では、真ん中にいる香が「4五」から「4四」へ移動する場合は

といいますと・・・これを将棋ましましは「4四香直」としました。


現行将棋の『直』の定義(規則?)は、

「金銀が横に2枚以上並んでいる状態で、一段上に上がること」

ですが、これを

「大駒以外の同種の駒が横に2枚以上並んでいる状態で、一段上に上がること」

に拡大して定義したのです。


本将棋においては、3つ以上の駒が同時に

ひとつの地点へ到達することがあるので

『右』『左』に加えて『直』があるわけですが、

安南将棋は、それが可能な駒は金銀だけではないからです。


ちなみに大駒に『直』という表記が使われないのは、

大駒は2つしかないので『右』『左』だけで

こと足りるという意味ですね。


さて、ご参考までに、画像⑤において、

真ん中にいる香が「4六」から「4五」に移動する場合は、

「4五香直」ではありません。

「4五香上」となります。


なぜなら、隣同士2枚以上が並んではいないからです。

今一度『直』の定義をご確認ください。



棋譜はとても難しいです。

本将棋の棋譜表記のルールをご確認いただくには、

日本将棋連盟のホームページをご参照いただけると良いかと思います。

https://www.shogi.or.jp/faq/kihuhyouki.html